ぜんまい仕掛けの宇宙船

−三文小説家見習い・小倉洋の作品置場−

シリーズ『99ガールズ』について

ロック・ブルース・ジャズ・ポップスのタイトルや歌詞にインスパイアされた、九十九里浜と千葉県各所を舞台にした一話完結の『彼女』たちのショートストーリーです。

あなたのそばに

「いらっしゃい」 もうすっかり顔馴染みのマスターが、いつもの優しい声で迎えた。「この雨で、桜もすっかり散ってしまいます」 グラスを磨きながらそういうマスターは、少し雨に濡れた彼女の髪や肩に目をやると、乾いたハンドタオルを手渡した。 JR千葉駅…

これは嬉しい

小倉洋はこのはてなブログ以外にカクヨム様にて同じ内容んものを公開させていただいているわけでして…… 先日、久しぶりに作品をアップするためにカクヨムサイトにアクセスすると、なにやら「お知らせ」が届いていました。 以前、ある方から私の書いたものに…

三幕構成はどうだろう

行き詰まってしまった中編学園モノをなんとか進めたいので、プロットを全面的に見直し、三幕構成と40シーン分割の手法を取りいえれみることにしました。 すると、今まで作ってきた部分をあらためて40シーンに割り振ってみると、これまでいかに出鱈目なことを…

『契約』で経験したこと

先日公開した『契約』では、初めての体験をしたので書き留めておきましょう。 ある夜、ベッドサイドの照明を消し「さあ、寝るか」と横になった時、突然、話の流れとオチが閃いたのです。ときどきプロの作家さんが「作品が空から降ってくる」というような意味…

女の子だもん

「オートバイは自由の翼だわ」 まだ少し朝もやが残る山間《やまあい》の、緩やかなカーブが続く道。木々の間から溢れる早朝の陽の光と濃緑が織りなすグラデーションの中を、次々と現れるカーブを右手のアクセルワークだけで「タタタッ……」という歯切れ良い排…

契約

「お前の望みを言え」 深夜0時。安アパートの自室。 明日、会議に提出する企画書の作成でテンパっている俺の傍らに、見知らぬ男が立っていた。 紫色のスパンコールジャケットに白のパンタロンという、大昔の演歌歌手のような出で立ちの男が、人間でないこと…

クソったれな気分

彼女はこれまでの人生で最低最悪な土曜の朝を迎えていた。 太陽はすでに高く昇っている。エアコンがタイマーでオフになったせいで、肌は薄っすらと汗ばんでいる。昨夜は幕張の自宅に帰り着くや乱暴に服を脱ぎ捨て、化粧も落とさず飲み始めた挙げ句に、不覚に…

霧よ

間欠ワイパーの規則的な動きがフロントウィンドウの水滴を拭って( ぬぐって ) も、近くの車のテールライトが赤く滲(にじ) むほどに霧が濃い。 1978年型フォード・ブロンコというアメリカ製4WDの、淡いクリーム色をした巨体を季節外れの海水浴場の駐車場…

夢十一夜

こんな夢を見た。 同級生の美少年を追いかける女生徒がいるのだが、これがなかなかにひつこい。女優の光浦靖子をイメージしてもらえば間違いない。 この女がひたすら美少年を追い回し、美少年は学校内を逃げ回り、なぜか私はその追跡劇を妨害する役まわりで…

異世界もの書こうとしたらパニック

一作目も途中なのですが、ふと最近流行りの「異世界もの」というのを書いてみたくなり、取り掛かってみました。 文章の書き方自体、右も左も分からず書いているのですが、とりあえず一つだけ分かったことがあります。 それは、 「異世界書ける人はスゴイ!」…

【メモ】日本語校正サポート

文章校正に便利なサービス。 作品公開前に、一度ここを通してみると良いかも。 誤字・脱字・難解文字・助詞不足などをチェックしてくれます。1000文字程度のものを校正かけてみましたが、かなり精度が良い印象でした。 無料で使えます。 https://www.kiji-ch…

『旅する火鉢』 高橋のぶ子

読みかけのKindle本をちょっと脇に置き、芥川賞作家である高橋のぶ子さんのこの短編集に浮気中。 初めて読む作家さんですが、冒頭からすっと入り込める(惹きつける)文体とリズムが心地良いです。 まだ読み始めたばかりですが、なにやらワクワク感が止まり…

リズム

小説を読んでいて、こんなことを思います。 「この本は自分の感性にリズムが合う・合わない」 特に顕著なのが、海外のものを翻訳した小説のときで、翻訳者さんによって大変読みやすかったり、逆に読みにくかったり。こればかりは相性もあると思うので、何と…

スーパーカブクライシス

遅々として進まない執筆ですが、読書は淡々と進んでいまして…… 先日、Kindleにてトネ・コーケンさんの『スーパーカブ4』を購入、読了したのですが、ちょっとパニクってます 内容についてはネタバレするとまずいので書きませんが、なにがパニックって、自分の…

最近のこと

少々Blogをおさぼりしていますが、小説を書く前にとあるサイトでのライターを請け負うことになりまして・・・相変わらず小説の勉強は続けていますが、目の前にある文章書きをこなさないといけません。 あらためて日本語文章と文章構成の難しさと実感する日々…

【参考書】「面白い物語を作るには」|今井昭彦(著)

小説を書こうと思いはじめ、最初に読んだのが先にご紹介した「ラノベの書き方」で、こちらは二冊目ということになります。 ucyusen.hatenablog.com 何冊か参考書的なものを読んでみて、一番しっくりすると言うか自分にとってわかり易かったのがこちらのシリ…

あらすじとプロットの違いがわからない

■ 調べてみた Yahoo知恵袋回答 サイト「ストーリーメーカー」 ■ 結局こんな解釈をしてみた あらすじとプロットの違いが分からなくて悶々としておりました。 これまで読んだ参考書籍では明確な違いを読み取れず、「なぜ同じようなものに二つの名前があり、時…

メモ

落差はエネルギー 明暗はエネルギー 白黒はエネルギー 対立はエネルギー プラスとマイナスはエネルギー

集中できない

物語を書くための学習をしようと思って本を読んでいるのですが、読んだ内容からインスピレーションがちょっとでも顔を出すと、書いている最中の物語に意識が行ってしまい読むことに集中できない・頭に入ってこない状態が続いています。 これで両方ともキレイ…

俺が近所のダ◯ソーにボールペンとノートを買いに行ったらこの世のものとは思えない不思議な力が働いてマウスを握りしめていたので焦った(異世界風タイトル)

ダ◯ソーにボールペンとB5のノートを買いに行ったんですよ。 私は筆圧が高いため細いペンだと疲れるので、できれば1.6mmの超太字が欲しかったのですが、需要が少ないのか売っていませんでした。しかたなく並んでいた中では一番太い1.0mmで妥協。ノートと一…

【参考記事】「スマホ、PCどちらに合わせるか」

作品を書く上でアレコレ考えていて、こちらのサイトを拝見したときには目から鱗が落ちました。紙媒体とは違うネット小説のことを考察されています。 正直言ってあまり気にしていなかったことなので、とても新鮮な視点です。blog.livedoor.jp 実際のところど…

【参考書】「ラノベの書き方」|読んだ本のこと

読書感想文です。 小説を書きたいと思ってはじめに手にしたのがこの本でした。 表紙のイメージとは裏腹に、中身は非常に真面目なもので、言い方は悪いかもですが「固い」内容です。 特色として、筆者は主にストーリーとプロットに着目しているようで、この点…

なんとランキング10位

開設間もない胃間もないブログなのに、にほんブログ村ランキング「小説家志望」部門で望外の10位に! これもひとえに皆様のおかげです。 ありがとうございました。 ブログランキング運営システム【ランキングマスターPro】 [DVD] 出版社/メーカー: フクラ …

段落というものについて考えていたらこんなサイトを発見した

段落分けというのが実は苦手でして、やたら細かく区切ってしまうか、そうでなければ無意味に長らい段落になってしまいます。 悪い癖とは知りながら、なかなか直せないんですよね。昔、少学校のPTAで「PTA広報の作り方教室」みたいのがあって、そこで随分と文…

タイトルとストーリー どっちが先?

以前なにかの本かウェブで読んだことがあるのですが、「小説はストーリーを書き上げてからタイトルを決めるものだ」というような感じのことが書いてありました。読んだ当時は本当に右も左も分からない状態だったので、単純に「なるほど、そういうものなのか…

三文小説家のつぶやきね

コミック・鋼の錬金術師に出て来る殺人鬼のセリフでこんなのがありまして…… 「オレは生きた人間の肉をぶった斬るのが大好きだ!!殺しが好きで好きでたまんねェ!!我殺す故に我有り!!オレがオレである証明なんざそれだけで十分さァ!!!」 (鋼の錬金術…

執筆環境としてのアウトライナー DynalistとWorkflowyのこと

そもそもアウトライナーとは DynalistとWorkuflowyの違いは 執筆者にとってクラウド型執筆環境の大きなメリット クラウド型という言葉から連想される弱点は少ない まとめ そもそもアウトライナーとは 私が普段、原稿を書くときに使用しているのは、Dynalist…

いったい私はどんな小説が書きたいのでしょう?

一つになんて決められない 世は「異世界ライトノベル」が大流行 地元でご愛顧「ショートストーリー」 それでも書きたい「SF」 もっとウデてよ「ハードボイルド」 「ヒューマンドラマ」とオートバイ 「ヒューマンドラマ」と釣り さじ加減が難しい「時代物」 …

読書環境としてのKindle Paperwhiteのこと

Kindle Paperwhiteを使い始めた理由 電子書籍はNEXUS7から Kindle Paperwhiteの特筆すべき点 Kindle Paperwhiteの弱点 もう手放せない Kindle Paperwhiteを使い始めた理由 最近とみに遠視(老眼と呼ばないで)が進み、日常的に遠視メガネ(老眼鏡と呼ばない…