ぜんまい仕掛けの宇宙船

−三文小説家見習い・小倉洋の作品置場−

『契約』で経験したこと

 先日公開した『契約』では、初めての体験をしたので書き留めておきましょう。

 

 ある夜、ベッドサイドの照明を消し「さあ、寝るか」と横になった時、突然、話の流れとオチが閃いたのです。ときどきプロの作家さんが「作品が空から降ってくる」というような意味のことを語られますが、まさに「もしかしてこれがそれか!?」といった感じの衝撃でした。

 なんたって、大まかなストーリーも結末も瞬間的にできちゃったのですから。まさか自分にこんなことが起きるとは思ってもいませんでしたので、その驚きは大変なものでした。

 

 私は慌てて消したばかりの証明を点け、ラップトップを開きメモを取り始めました。私が使っているのはChromebookなので開けば即入力体制で、普段からDynalistとGoogle Keepはブラウザタブに常駐させているので、同じく臨戦態勢です。こういうときにChromebookは便利ですね。

 このときは、Dynalistに話しのあらましとオチだけメモして、翌日、箇条書きにしたメモをプロットとし、それに肉付けをして書き始めたのですが、なにしろ落し処が決まっているのだから文字通り『話は簡単』なわけです。

 しかも、「主人公が喋りだす」という不思議な感覚まで体験してしまい、書いているこちらが拍子抜けするくらいに『ツルリッ』と生まれてくれました。安産ですね。

 

 書き終えて考えたのですが、今回楽だった原因は一にも二にも『オチが決まっていた』ことだと思います。結末(オチ)の大切さをあらためて実感できた次第です。

 書き慣れた人にすれば「なにを大袈裟なこと言ってるのだ」という話なのでしょうが、こうした小さな成功体験の積み重ねこそがモチベーションを維持し、次の作品執筆への原動力となってくれることは確かでしょう。

 

 良い経験をさせてもらいました。