ぜんまい仕掛けの宇宙船

−三文小説家見習い・小倉洋の作品置場−

リズム

 小説を読んでいて、こんなことを思います。

 「この本は自分の感性にリズムが合う・合わない」

 

 特に顕著なのが、海外のものを翻訳した小説のときで、翻訳者さんによって大変読みやすかったり、逆に読みにくかったり。こればかりは相性もあると思うので、何ともしようがないのですが……

 

 逆に読みやすい作家さんの筆頭に挙げられるのは、高千穂遙さんです。とてもリズミカルでスピード感のある語り口は、自分の身体にすっと入ってきて、心地よい余韻とともに去っていきます。

 他にも、少し前であれば冲方丁さんの作品のほか、遅まきながら最近読んだものでは三上延さんの「ビブリオシリーズ」や三浦しおんさんの「舟を編む」「小暮荘物語」などが、自分のリズム感とピッタリ合う作品でした。

 

「自分もそんな文章を書いてみたい」という思いがあるせいか、ふと気がつくと作品の風合いというか、文章のリズムがそれらの作家さんと似てしまうのは仕方のないことなのでしょうか。もっと独自性を出せれば良いのですが、書き始めたばかりの三文小説家見習いにはちとハードルが高いようです。

 

 おそらく誰もがぶつかる問題かもしれませんが、みなさんはどうやって乗り越えられえいるのでしょう。