ぜんまい仕掛けの宇宙船

−三文小説家見習い・小倉洋の作品置場−

『旅する火鉢』 高橋のぶ子

 読みかけのKindle本をちょっと脇に置き、芥川賞作家である高橋のぶ子さんのこの短編集に浮気中。

 

 初めて読む作家さんですが、冒頭からすっと入り込める(惹きつける)文体とリズムが心地良いです。

 まだ読み始めたばかりですが、なにやらワクワク感が止まりません。

 

 Kindleを使い始めたばかりの頃は、「やはり紙の本のページを繰る感触とインクの匂いがしないのは寂しい」とも思いましたが、改めて思うことは、こうして心地よい文章に触れること自体が読書の醍醐味であり、それはメディアが紙から電子ペーパーに替わっても色褪せるものではないということです。

 

 書くこと・表現することも楽しいと思い始めていますが、やはり読書が大好きなんでしょうね。

 

Amazonプライム会員ならKindle本で無料で読めます。 

 

リズム

 小説を読んでいて、こんなことを思います。

 「この本は自分の感性にリズムが合う・合わない」

 

 特に顕著なのが、海外のものを翻訳した小説のときで、翻訳者さんによって大変読みやすかったり、逆に読みにくかったり。こればかりは相性もあると思うので、何ともしようがないのですが……

 

 逆に読みやすい作家さんの筆頭に挙げられるのは、高千穂遙さんです。とてもリズミカルでスピード感のある語り口は、自分の身体にすっと入ってきて、心地よい余韻とともに去っていきます。

 他にも、少し前であれば冲方丁さんの作品のほか、遅まきながら最近読んだものでは三上延さんの「ビブリオシリーズ」や三浦しおんさんの「舟を編む」「小暮荘物語」などが、自分のリズム感とピッタリ合う作品でした。

 

「自分もそんな文章を書いてみたい」という思いがあるせいか、ふと気がつくと作品の風合いというか、文章のリズムがそれらの作家さんと似てしまうのは仕方のないことなのでしょうか。もっと独自性を出せれば良いのですが、書き始めたばかりの三文小説家見習いにはちとハードルが高いようです。

 

 おそらく誰もがぶつかる問題かもしれませんが、みなさんはどうやって乗り越えられえいるのでしょう。

スーパーカブクライシス

 遅々として進まない執筆ですが、読書は淡々と進んでいまして……

 

 先日、Kindleにてトネ・コーケンさんの『スーパーカブ4』を購入、読了したのですが、ちょっとパニクってます

 内容についてはネタバレするとまずいので書きませんが、なにがパニックって、自分の小説の中で書こうと思っていた小テーマが三つも含まれていたんです。「遅かったか」「やられた」っていう感じですね。

 

 まあ、悔しいけど恨み言言っても仕方ないので、テーマは同じでも違う切り口を模索していきましょうかね。

 

あー、参ったなあ……

 

スーパーカブ4 (角川スニーカー文庫)

スーパーカブ4 (角川スニーカー文庫)

 

 

最近のこと

少々Blogをおさぼりしていますが、小説を書く前にとあるサイトでのライターを請け負うことになりまして・・・相変わらず小説の勉強は続けていますが、目の前にある文章書きをこなさないといけません。

 

あらためて日本語文章と文章構成の難しさと実感する日々です。

 

こんな記事書いてます。

motorz.jp

【参考書】「面白い物語を作るには」|今井昭彦(著)

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 小説を書こうと思いはじめ、最初に読んだのが先にご紹介した「ラノベの書き方」で、こちらは二冊目ということになります。

 

ucyusen.hatenablog.com

 

 何冊か参考書的なものを読んでみて、一番しっくりすると言うか自分にとってわかり易かったのがこちらのシリーズでした。

 内容は「ぴこ山ぴこ蔵」と「ブンコ」という二人の登場人物の掛け合いと著者の解説という形で進行していきます。冒頭に書かれている「これから始まるのは、娯楽として供されるストーリーの作り方を研究する『面白い物語創作講座』です」は、通俗に徹した三文小説家を目指す自分にとって、誠に勝手ながら「こりゃピッタリ!」と手を叩きたくなります。

 

 「小説とはなんぞや?」「物書きは如何にあるべきか?」と肩をいからせて読み始めると、それこそ肩透かしをくらうくらいに軽いタッチで話は進みますが、内容はとても真摯かつ論理的に書かれています。

 

 目次からいくつか抜き出してみると、

  • 「かっこいいオープニング」の罠 
  • 読者をぐんぐん牽引する【物語のエンジン】を簡単に作る二つの設定とは
  • 物語を面白くするには「どんでん返し」が効果的
  • どんでん返しの作り方
  • 『どんでん返し』と『意外な結末』の違い
  • 伏線と平行線

など。

 

ラノベの書き方」ではストーリーとプロットに着目していると書きましたが、こちらでは特に「どんでん返し」がキーワードとして繰り返し登場します。自分もそうですが、物語の出だしを何行か書いてそこで止まってしまう原因と対策が、どんでん返しというキーワードを使って丁寧かつ論理的に説明されているので非常に勉強になりました。

 

 この今井昭彦さんという方の著書はこのあとに以下の二冊も読んでいますので、近い内にご紹介したいと思っています。

 

面白いストーリーの作り方 スキルアップ編 ストーリーデザインの方法論 (PIKOZO文庫)

面白いストーリーの作り方 スキルアップ編 ストーリーデザインの方法論 (PIKOZO文庫)

 
物語が書けないあなたへ ストーリーデザインの方法論 (PIKOZO文庫)

物語が書けないあなたへ ストーリーデザインの方法論 (PIKOZO文庫)

 
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あらすじとプロットの違いがわからない

 

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 あらすじとプロットの違いが分からなくて悶々としておりました。

 これまで読んだ参考書籍では明確な違いを読み取れず、「なぜ同じようなものに二つの名前があり、時にあらすじと呼ばれ時にプロットとよばれるのか」が疑問でしょうがなかったのです。

 

■ 調べてみた

 こういう時に大助かりなGoogleさん。

Yahoo知恵袋回答

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

 まずこちらがGoogle検索の最上位に来ていたので覗いてみました。実に簡潔かつ明瞭な説明でとてもわかり易かったです。

『「あらすじ」は読み手(受け手)に対して書くもの。内容を簡潔に伝えるもの。読む・見るために最初に情報を得るためのもの。「プロット」は書き手(作り手)に対して書くもの。内容を整理し、書き(作り)易くするための準備段階。』

  

 なるほど、対象が違うというわけですね。

 

サイト「ストーリーメーカー」

storymaker.click

 次にこちらを参考にしました。上よりも詳しく説明されていて、さらに理解が深まります。

『プロットには二つの良いところがあります。一つは、先ほどもふれましたが、全体の見通しをつけることができる点です。伏線はどこに入れるか、どんなアイデアを入れるか、整合性は保てるか、面白いか、そういったことをチェックしてから、細かい部分を作ることができます。変更も簡単です。一度に完璧なストーリーが作れるスキルがあればプロットは必要ありませんが、修正を繰り返して作り上げる場合には時間も手間も短縮することができます。

もう一つは、ストーリーを共有するために優れている点です。ストーリー作りには、作者側が一人でない場合があります。共同でストーリーを作る相方がいる場合や、プロデューサーや編集者のような、チェックする立場の人がいる場合です。そのようなときは、相手にストーリーの内容を理解してもらう必要がある場合があります。相手からアドバイスを受けたり、修正点が指摘されたり、OKかどうかの判断されたりします。この場合、相手は最初からディティールまで完成した長いストーリーすべてに目を通すよりも、まずはダイジェストで見たほうが時間の短縮になります。さらにそのあとに変更や修正が加えられる場合にも、ダイジェストの方が簡単に直すことができますね。』

 

 あらすじとプロットの違いに対する説明は同じだと思います。これにプラスして、引用のようにプロットを書くことのメリットも述べられていており、「なるほど、そういうことだったのか!」と納得。俗に言う「ストンと肚に落ちる」という感覚です。

 また、こちらのサイトは「文章を書く」ということについて様々な解説がなされているので、かなり勉強になりそうです。今度、時間を作って始めから終わりまで完読してみるつもりです。

 目次を見るだけでもワクワクしますよ(笑)

 

■ 結局こんな解釈をしてみた

 二つの回答をご紹介しつつ読み砕いてみた結果、自分なりに理解しやすい言葉に置き換えると次のようになりました。

  • プロットとは、マンションに例えれば、建築を実行する大工(作者)に必要な「設計図」であり「作業工程表」
    建築前に必要なもの

  • あらすじとは、マンションに例えれば、完成後に顧客(読者)に見せるための「間取り図」
    完成後に提示されても問題ない

 それほど非道い大間違いではないと思うのですが、いかがでしょうか?

 それと調べてみて 意外だったのは、結構な数の人が「あらすじとプロットの違いがわからない」と思っていることでした。正直言って、こんなことで悩むのは自分くらいだろうと思っていただけに驚きです。嬉しいと言っても過言ではありません。

 いやー、仲間がいるって良いですね(笑)

 

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